NPO法人 延岡市しょうがい者大輪の会

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とびらではこのようなご相談支援を行なっています

身体障がい者に対する相談支援

悩みのある障がい者が相談員を訪ねる時には、かなりの不安感を抱いています。その不安感を安心感や信頼感に変えて、いかに心を開いていただけるかが、相談支援の基本であり始まりだと思います。

聴覚障がい者

特に、聴覚障がい者についてはニーズを知る手段が、通常の言葉では困難なことがあり、相談支援をする場合に相談支援員と相談者の間には、根本的なコミニュケーションのバリアが存在します。
ゆえに、相談支援員は少しでも隔たりをなくすためには、信頼関係を持つためにもある程度の手話の技術が必要だと考えます。複雑な相談の時には、手話通訳士を依頼し対応する事は言うまでもありません。

視覚障がい者

視覚障がい者は、視覚から入る情報が乏しいためにおこる弊害が多くあります。相談者によっては、100%視覚からの情報がない場合があります。視覚障がい者の話しを聞くときには、声の調子や、抑揚、テンポ、明るさなど注意しながら、相談をうかがいます。相手の顔の表情が解らない視覚障がい者の場合、声の調子で相談支援員の情報をとります。そのときの印象次第では、信頼感を抱いていただけない場合や最悪、誤解を招く恐れがあます。そのことは、視覚障がい者に限らず、電話での相談業務の時には、必ず注意すべき重要な事だと考え対応しています。相談支援員が、いかにして、はじめての相談者を受け入れるかがポイントになるようです。

内部障がい者

内部障がい者の方は、相談件数としては少数しかありません。内部障害の方の相談支援はピアカウンセリングが中心になるのではと考えます。
オストミー当事者の集まりが、県立延岡病院で月に1度火曜日に開催されていますが、人数的には、家族を含め数名しか集まってないようです。「障がい」が見えない事や排泄部分での障がいと言う事もあって、障がいの受容の難しさがあるようです。
オストミーの方が一番困るのがトイレです。道の駅などのトイレは、県のオストミー協会の方で活発な活動が行われており、オストミー対応のトイレの設置を着々と進めています。

大輪の会では、延岡オストミー協会の会長との交流が、日頃よりありオストミー関係情報の収集やピアカンセリングなど現在も連携を取り支援体制を整えています。

肢体障がい者

肢体障がい者の場合、住宅改修や日常生活用具などの相談と同じくらいに就労相談が多くあります。就労相談の目的は、職場で戦力と期待されるように援助するのではなく、本人が望むのは、その人の障がい特性や能力を理解した上で、それにあった就労の場が見つけられ、その後も継続的に支えてくれる仕組みです。現実には就労が即、社会的自立に結びつくとは限りません。

就労がある種の契約である以上、ストレスは付き物です。働く事だけが夢であり目的である場合、そのストレスには耐えきれないかもしれません。自分の努力や頑張りがよりよい生活スタイルを実現するという事こそ目的になる様な支援が必要となります。

すなわち、就労によって、本人が地域社会でどのような生活プランを実現させるのか、そこまでデザインされた支援システムが必要となってきます。

また、就労までに行き着かない障がい者が多くいます。中途障がい者の場合ですと、障がいの受容がなかなかできずに、悩み苦しんでいる方がいます。そんな状況でもまだ、自分の障がいが良くなるのではと、期待し続けている人もいます。そのような場合は、その方の気持ちをくみ取った支援が必要です。きわめて繊細な心配りの声掛けが必要と考えます。

知的障がい者に対する相談支援

知的障がい者に関する相談は、利用者のニーズの的確な把握から始めなければなりません。利用者は、地域でのつながりのなかで快適な生活を実現していきたいと考えているのか、あるいは様々な社会資源とのつながりのなかで新しい可能性を探そうとしているのか、十分な情報を提供しながら、その目標に至る過程に歩調を合わせることが大切です。その上で、きわめて限定された領域での一時的な支援が求められるのなら、障がい者本人の社会適応上のスキルが最大限に生きる方向で、できるだけ短期的な支援を検討します。

支援の具体的な内容が明確になっている場合は、家族や本人の力を引き出す方向で、解決の具体的な形を描きながら、その課題に関連した領域の関係機関と連携して支援を行います。より広範な支援が必要な場合や、複合的なニーズを持っている場合などは、ケアマネージメントなどの技法を活用し、医療・福祉・就労・教育・司法などの関係機関との会議を持ち、緊急性や長期的支援など課題ごとの調整を図ります。その際、積極的な連携に努めるとともに、同時に利用者のプライバシーと人権にも十分な配慮がなされなければなりません。

また、大輪の会は、「障害(児)者サポートセンター はまゆう」や「ひかり学園」等の関係機関とのネットワークもできており、連携した相談支援が速やかに行う事ができます。

精神障がい者に対する相談支援

精神障がい者の相談は、家族や身内がそれまでの本人と異なる言動や、落ち込み引きこもりなどのうつ状態に気づき相談に訪れます。支援としては、保健士やMSWにつなぎ精神科受診を進めることもあります。その結果入院をしなければならないというケースもあります。

精神障がいは、中途障がいで、20歳前後から発症する事が多くそのために社会性がなかったり、就労経験が乏しかったりします。

公的年金に加入してない時期に、精神科の初診日に当たると無年金になります。

また、病院に行かないまでも、病気のせいで就労困難になって、年金に加入する機会を逃がす人がいます。そういった障がい者の経済的な支えは、生活保護でしか救済されません。

対人関係で緊張したり、集中力が続かない等の障がいを持つ精神障がい者にとって、一般企業に就職し、生活費の充足を計るのは困難です。

しかし、障がい者年金が受給されればパート職などと併せて生活費をまかなえ、精神的に負担が軽減されます。また、障がい者年金を受給されることで、障がいを受け止めるという側面もあり、自分なりに生きていくという指針になります。

しかし、現実には障がい年金を受けていることに対する社会の偏見により、家族にとって障がい年金を受給する事は、相当な決心がいります。退院についても問題が発生します。

一つ目の問題は、社会的入院をされている方の、今後の退院促進、地域生活移行に対する助言などがあります。10年・20年以上の入院を余儀なくされている方々は、親が健在なら自立できる事でも両親が亡くなられ、家を兄弟姉妹が継がれていると居場所もなく、経済的な協力は限られています。アパートの保証人などにもなり手がいないのが現状です。

二つ目の問題は、就労です。入院前に務めていた会社に復職できれば良いのですが、退職をせざるを得えない場合も多く、再就職には作業所などの福祉的就労しかない場合があります。精神障がい者として障がいをオープン(開示)にして働ける場合障がいをクローズ(かくして)にして働かなければならない場合があります。 オープンなら良いのですが、クローズにしていて体調を崩した時に、心の負担になりますし黙っていたことの罪悪感もあります。

病院が運営している「デイケア」や健康管理課がアドバイスをして任意で運営されようとしている「仲間の会」などは、ピアサポートの場としての役割があり、週に何回か通うことで体力増進や気持ちの集中ができ、尚かつ充実した時間を過ごすことができます。

三障がい統合となった自立支援法は、精神障がい者にとって通院公費負担制度32条の廃止で、それまでの負担額が5%から10%になり2倍になりました。マイナスの部分が多いと考えます。

上限はあるものの、自立支援法の元では、充実したサービスメニューもなく結果的に、本人の希望するサービスは、質・量ともに保証されていません。

過去の事例に、電話や来訪に寄って、大きな決断や自殺予告などが相談支援員に投げかけられる事がありました。すぐに各関係機関との連携を計りつつ、今まで相談を重ねたことで信頼を得ていた相談支援員の説得により、失踪や自殺を思いとどまらせると言う事もありました。

ですから、今後、更なる関係機関との情報の共有や情報交換等を密に行い、インフォーマルな支援の構築やネットワークつくりと共に、相談支援員との信頼関係を築く事ができるかが、相談支援事業を円滑に行う重要なポイントと考えます。

障がいのある子ども等に対する相談支援

障がいの種別を問わず、障がいの早期発見により早期療育に繋げる意義は大きく、障がいが発見された子やその家族に対して、医療、保健、教育の各機関から提供される支援を適切かつ正確に活用出来る為の相談支援が必要とされます。

乳児期~幼児期の障がい児及び家族の支援

障がいの発見者として、最も多いのが主たる養育者である母親です。子どもの障がいの発見の多くを家族が担っています。障がい種別ごとに障がいの発見時期を大まかにみた場合、傾向として聴覚障がいと肢体不自由でいずれも生後6ヶ月未満に発生のピークが見られ、知的障がいにおいては、生後6ヶ月未満に発見のピークが見られるものの、その後2歳未満まで発見件数に著しい減少傾向が見られないのが特徴です。一方、自閉症では、1歳以上1歳6ヶ月未満に発見のピークが見られます。また、乳児検診に「問題なし」とされた障がいのある子どもは、家族が子どもの状態に何らかの不安や疑いを抱えながら過ごす時間の長さや子どもの療育の開始が遅れる事など問題があり、その子の経過観察中における対応においては、家族、とりわけ母親の心理的ケアが必要とされます。早期療育に必要なのは、「情報提供」「保護者の心理的ケア」「共同で働きかける連携(情報の交換、学習会、講演会等)」が挙げられます。

「情報提供」・・・家族は、情報の乏しさ、同じ障がいのある子どもを持つ親の集まり、兄弟の問題、療育や訓練、保育園や幼稚園など色々な悩みを抱えています。保護者が情報を必死に探し回る状況があり、子どもの障がいの発見や診断の後に行なわれる機関に対する情報などを、相談を通し保護者に提供出来るようにします。

「保護者の心理ケア」・・・保護者の心理ケアや家族に対する支援が必要である為、各行政機関と連携を取り合い対処していきます。

「機関の連携」・・・保護者の心理ケアと重複してさくら園などや障がい児の関わる場の情報を提供します。

現在、大輪の会での相談内容として、乳児期から幼児時期にかけては、県内外病院への訓練・通院・入院など経済的負担や、家族、兄弟児の心理的負担も大きいと考えられます。

この場合、各機関も手薄状態であり延岡市内での小児科の入院施設は、県立延岡病院だけです。

現在、4年程前から小児科に保育士1名が配置され、付き添いの代わりがいない場合のみ、母親の変わりに数時間、子どもを預かってくれる事が出来るようになりました。そのことにより、母親の心理的負担を軽減しています。主に母親は、24時間体制にて子どもと接しており、身体的にも精神的にも疲れ果てた状態で、誰にも悩みを打ちあけられず悩んでいる母親も多くいます。

大輪の会のスタッフに、障がいの子どもを持つ経験者(ピア)が居ることを知り、相談に電話連絡や来訪されるケースがあります。

大輪の会では、相談に訪れた障がい児の家族や保護者に必要とされる情報・社会資源の活用などの助言や支援を行います。

家族に対して、子どもの状態に対応可能とされる療育機関の情報が平等に提供されます。

保護者が機関を決定し療育が開始された後でも、機関の変更希望の相談あれば機関と連携し、専門機関の紹介など希望に添うよう対応します。

学童児期の支援

障がい児が自立に向けた意識を持ち、親、家族からの自立にチャレンジする力を培うため、学齢期の学校教育では、将来、地域社会の中で共に生きていく同世代の者との交流を通してさまざまな経験をし、自立の課題を明らかに出来る場が必要です。

一人ひとりの特別な教育ニーズに応える為、障がいを持つゆえに必要とする情報やサービスの提供が受けられるように学校、各機関と連携して障がい児と家族への相談、助言、サービス支援の推進をします。

そして、将来の自立生活の場としての地域社会で、さまざまな活動や体験を積むことが出来る環境と機会を確保することが重要です。

この為、家庭、学校、職場、授産施設、小規模作業所などといった日中での活動の場の他に、障がい児自らの地域生活や社会生活を豊かにする趣味活動、交流活動、スポーツ・文化活動など情報提供の支援をおこないます。

学校に通っている保護者の相談として一番多い事は、将来の子どもがどのようになるか?学校で子どもを介して、先生との意見のトラブル等の悩みが寄せられております。子どもと保護者が安心して、学校生活が送れるように必要な助言や不安を取り除くように対処しています。

次に、各学校や特別支援教育コーディネーターとの、連絡調整等をはかり、障がい児や保護者に個々のニーズに対応した支援を可能にしたいと考えています。

日常的に専門的な療育は必要ありませんが、地域生活を継続するうえで、必要とする情報やサービスを求めている障がい児やその家族を支援し精神的に支える機能やサービス、障がいのある子どもが生きていく地域社会との橋渡しとなる相談支援を行い、障がい児、親、家族、各機関との相談支援のネットワークづくりを推進していきたいと思います。

困難事例に対する相談支援

重複障がい者や、一世帯に障がい者が二人以上いる家庭からの相談もあります。

個人レベルでのニーズを支援するとなると、フォーマルなサービスだけでは、到底補いきれません。これからは、地域のインフォーマルな支援がますます必要となってきます。

常に相談者の立場になって聞くことが大切です。障がいのある方が生きてきた文化をはっきり理解でき、どういったライフスタイルを生きてきたかにより、私たちが考えないような価値観をもたれていると言う事を、理解できていないと本当の意味で相談者の立場に立って聞くことはできないと思います。

障がい者が、語ることに関しては、徹底的な、傾聴、受容からすすめる事が必要です。とても理解できない内容でも、内容を要約、解読しながら相談者が、否定的に話されているところを、肯定することはしないように心がけています。なぜなら相談者の立場に立てば、話す気がなくなる恐れがあるので、相談者の思いを100%話していただけるように進めるのが大切です。相談支援を実践して行くことは、簡単に言うと相談者の環境をかえるという事なので、相談者の環境をどこまで理解できているかと言うことが大切です。

地域福祉の発展に伴い、様々な局面で障がい者本人や家族が、主体的に決定の過程に関与できるような相談支援システムが必要となります。また、こうした相談結果を地域に蓄積する事で、その地域の相談支援ネットワークをシステム化するのに大きく役立ちます。

そして、その相談支援ネットワークがそれぞれの地域において定着するように支援して行くことが、相談支援事業所の限られたマンパワーを最大限生かす事にもつながります。また、障害者の人権を守るための権利擁護や嘱託専門員の専門性を活用し各機関との連携を計ることで、困難事例に対応していきます。